各地で桜が満開!
我が家では、蝶々の飼育が趣味の主人は、幼虫に餌をあげるため、餌の調達に忙しい日々が訪れています。
「生涯の趣味がある人は幸せだな~」と実感している今日この頃ですが…。プライベートはさておき、皆さんの会社や部署にも新入社員を迎え、フレッシュな彼らがどう育っていくのか、これも楽しみですね…。今回から「主体的に生きる自立力」の育て方の本題に入っていきましょう。
■自立って何?
まずはおさらいですが、自立の定義(喜田菜穂子作成)を押さえましょう。
●「自立」とは
自らの人生や仕事において、「自分が選択しているという意識があり、その選択に責任を持っていること。
●「自立した人」とは
一人ひとりが自分で考え、壁を乗り切る力を身につけていること。何か問題が生じたとき、他人への責任転嫁(他責)ではなく、つねに当事者意識を持ってあたれること。
●「成熟(自立)した組織」とは
組織自体に問題解決する能力があり、協働の雰囲気を大切にし、必要なときに改善に向けて話し合う力があること。 一人ひとりの力が十分に発揮されていること。
こうなれば理想です。
そして、そうなるために、これらの「自立した人」と「自立した人たちで構成される自立した組織」を育てるために必要なスタンスとスキルを作成したものが、自立型支援方法です。
■自立型支援方法の詳細
1. 私は、「人はいつも最善を選択している」という前提で人と関り続けています。
2. 私は、自分の思い込みを一旦はずし、そのままの相手をしっかり受け止めています。
3. 私は、相手が尊重されていると思う聴き方をしています。
4. 私は、相手の中の答えを、効果的な質問で引き出しています。
5. 私は、評価的な表現でない言葉で相手を承認、認知しています。
6. 私は、コミュニケーションの意図について、いつも意識を向けています。
7. 私は、自分の成功体験、情報を押し付けにならないように提案しています。
8. 私は、「他人の能力、可能性は決められない」ことを知っています。
9. 私は、過去と他人は変えられない、人はみな違う(人は見たいように見るし、聞きたいように聞く)事を、知っています。
10. 私は、人間関係を破壊する7つの習慣を使わないように意識しています。
①批判する ②責める ③がみがみ言う ④文句、苦情を言う ⑤罰する ⑥脅す ⑦コントロールするために褒美でつる
11. 私は、信頼関係を構築するためにいつも安心感のある安全な場を作り出しています。
12. 私は、相手を常に勇気付け、責任を取る権利を奪いません。
13. 私は、失敗したと感じることも、常に学びの種に変えています。
■立派な人にならなくてもいいのです!!
こうして見ていくと、「こんなことなかなかできないな~」と最初、ため息をつかれる方が多いのですが、決して人間力を高めることでもなく、良い人になるための指針でもありません。ただ、自分が、指導する立場や、育てる役割になった時、自立した人や自立した組織になってほしいと望むのなら、それを得るために、このようなスタンスやかかわりの方が近道だ!とお伝えしたいのです。
そしてもう一つ、10年以上のこの指導経験から、このかかわりを実践すると、育てる側の自立も、気が付けばしっかりと根付くことがわかりました。おかげさまで、叱り方検定がメディアでも話題になりましたが、叱る目的も究極は相手の自立。会得していくにつれ腑に落ち、究極は、自分自身のスタンスの大切さだと気付いていくのです。
次回からは、実際に自立を育てる「自立型支援方法」の一つ一つを紐解いてお送りします。