人材育成で、褒めることに重点が置かれたのはなぜか?
人材育成や、リーダー育成の現場で、「部下は褒めよ!」「褒めたら人は育つ!」という思いは強くはありませんか?
アメリカでは六十年代から、日本でもここ20年以上、「褒める教育」が良いとされ、「厳しい指導は人を伸ばさない」といわれてきました。
そのために、上司は「褒める」ことに熱心になりすぎてきたようです。
結果、上司は、毅然としてダメはダメと伝える「厳しさ力」を失い、どう指導して良いのか分からなくなった挙句、
ここぞという時、正しく指導できない「やわやわ上司」となるか、最後の最後にとうとう切れて怒鳴ってしまう「キレ上司」となっています。
怒鳴られた人は打たれ弱いので、仕事をやめたり休んだり、最悪メンタルヘルスになり、一方、野放しな状況で仕事をする部下は、どんどん不必要に強くなって、みんなが意見も言えないモンスター部下になっていく…。こんなことが繰り返されます。
もちろん、人を育てることにおいて、良いところを見て伝える、「自尊心を育てるための関わり」は、育てる場面で不可欠だと思いますが、行き過ぎた褒め言葉や、おだてるような言葉だけの持ち上げは、かえって弊害が生じてしまう危険をはらんでいます。
部下の育成で迷う上司達
ある産業医さんの言葉が印象に残っています。
「新入社員は最初の3年は褒めないこと!!」 褒めて動かそうとすると、若い彼らは自分を過大評価し、俗にいう「うぬぼれ」が生まれかねません。
等身大の「まだまだ未熟な自分」をしっかりと自覚してもらうことから仕事は始まりますので、
3年は褒めるのではなく、大切な組織を構成していく「人」として認めていくということでした。
例えば、出来ているところはきっちり正確に認め、出来ていないところは未来への伸び代として、粘り強く観てあげること。
出来ていないことは毅然として伝えること。その伸び代が埋まった自分を想像できるようにじっくり話をし、本人からも、それを引き出す時間をとること。
一つ一つ、着実に足場を踏み固め、丁寧に仕事をしていくことで、充実した未来に近づきます。
短絡的な、言葉だけの作為的な「褒め」は、一瞬のモチベーションを上げますが、本人の存在意義と、未来へつながる「仕事の遣り甲斐」は、永続的に力を発揮します。
楽しいことばかりが仕事ではありません。時にはしんどいこと、辛いこともあると思います。
自分の力を冷静に見つめ、未来への希望を持ち続けて、行動を続けてもらうためには、
「今は力を発揮できないかもしれないけれど、自分は、この組織で大切な存在である」と思える場を
上司として作ってあげましょう。
人材育成する上で育てたい力
褒めることが何より人を成長させる…。
厳しく言うと萎縮して成長を妨げるのではないか…。
短所より、長所を見ていくことが大切だと教わった…。
その捉われで、誠実に相手と向き合い、真剣に相手の成長のための関わりができなくなってしまって悩まれ、私に相談されます。
人材育成において、この手のお悩みを大きく分けると、「年上の部下への指導(叱り方)」「若年職員(社員)への指導」です。
年上の部下への指導は、やはりじっくり話をきいて、こちらが十分に人生の先輩としては認めていることが伝わるように意識する。
そして、若年社員への指導についてですが、
この時期特に大切な成長ポイントの一つは、組織人として、自分の今のチカラや役割をじっくり見られるようになること。
先輩や上司の言うことを、まずは素直に自分に組み入れ、咀嚼し、自ら成長しようとすることだと思います。
1. 今の自分の現実のチカラや状況、役割を、まずは自覚する力
2. 上司の言うことを、一旦素直に自分に組み入れ、咀嚼し考え、自ら成長しようとする力
3. 組織で自分が、今後貢献していけるように思える(自己効力感)
4. チャレンジしていける行動力
「褒める」は「認める」と意識を変えましょう
喜田菜穂子の研修では、「褒める」と「認める」の違い、結果承認より事実承認、日頃の部下の観察の重要性を説いています。
具体的な言葉の練習ではなく、言葉は不器用でも良いので、必要だと感じた時は、
「部下の日頃の様子を丁寧に観察し、少しでも組織に貢献していること(例えば些細なことでも)を、
良し悪しは付けず、事実として伝えてあげてください。」とご指導しています。
効果的に叱る関わりが部下の育成には不可欠
正しい叱り方のお勉強のページにも丁寧に書いていますので、
人材育成から見た効果的な叱り方の詳細は
こちらをご覧ください。
詳細を記しています。
頭で理解するのはどなたでもしています。
出来るかどうかが大切です!
そのためには、実践のハードルを越えてやってみることが何より重要。
ハラスメントも大きな組織の痛手です。
研修の実施をお待ちしています。
リーダー育成研修 褒め方叱り方研修 カリキュラム(例)6時間
■ オリエンテーション
■ 挨拶、自己紹介、ルールの確認
■ アイスブレイク
■ 「当事者意識・自立」自立の共有
■ 人間関係の基本の心得
①人はコントロールできない。
過去と他人は変えられない。未来と自分は変えられる
②人はみんな違う。
コミュニケーションは伝わったことがすべて。
③コントロールできる範囲を知る。
《講義・実習・グループディスカッション》
■ 信頼関係を構築するために日常必要な関わりは?
■ 思いを聴く (相手を主人公と意識した傾聴)
■ 未来を支援する質問の仕方
■ 目標を願望に変える質問の仕方
■ 認める力をつける
結果承認 過程承認 存在承認 事実承認
■ 正しい叱りとは?
■ 効果的でない叱りで起こること
実践(ロールプレイ)
実践(ロールプレイ)
《上司役 部下役 効果的な方法》
■ 正しい叱り方の留意点の説明
■ 皆さんの現場のお悩みを共有、解決策模索
■ まとめ
★★★ 研修時には、現場の皆さんから事前課題を匿名で募り、すべての気がかりを扱い問題解決をします。
【流れの一例】 お打ち合わせ(研修によってどういう結果を作り出したいのか・何を解決したいのか) ⇒ 参加者のお悩み集約 ⇒ プログラムの作成 ⇒ 実施 ⇒フォロー(個別もあり)
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受講者の感想
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部下の指導に自信がない。きつく言ってしまって部下のモチベーションを下げてしまった…。
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人事、教育担当者の皆様、是非ご連絡ください。
《今までの叱り方研修 受講者の声》
■今までの自分は感情で叱るタイプであることがしみじみ感じられ大いに反省するところがあった。今後は相手としっかり向き合って指導指示をすることを心がけ少しずつ信頼関係を築き上げていくつもりです。
■今まで、感情的に怒る事や自分は正しい事を言っていると逃げ場所の無い理詰めの説教を部下にしてきた様に思います。今後は、自分自身意識しながら認める言葉や改善に向けて考える場を作りながら業績向上の為に取り組みます。
■営業部員の話を詳しく聞かずに自分の意見を一方的に自分のスタンスに合わせて説教してしまう。今後は、話をよく聞きコミュ二ケーション等をとり納得するまで話し合い営業活動しやすい環境を作りたい自立した人を多く育て活気ある営業部員にしたい。大変勉強になりました。
■常に自分自身に矢印が向いている事を改めて考えさせられ、大変勉強になった研修を無駄にしない為に部下とのコミュニケーションを図り、良く考えて行動に移します。非常に良い研修をありがとうございました。
■部下の育成の為を思って、叱るを日常的にしてきたつもりであっても、講座でロープレをした様に時には感情的に、又、理詰めで説教をしていた様に反省をしております。あまりにも他人の行為・行動・思考までコントロールしようとし過ぎた自分を変えていかなければならないと感じています。部下の未来に対して自分が出来る行動・思考を進化させる日々を多くして、結果として部署の成績の向上と部下の成長並びに周辺他部署の人とのつながり度・協力度合いが高まる行動・発言を実践して見ます。壁にぶち当たった時に喜田先生の指導を受けたいと思いますので宜しくお願い申し上げます。
■いつ何時も、一方的な話をせず、まずは相手の話をよく聴く。そこから解決策を聞き出すなり、良きアドバイスをするように心がけていきたいと思います。その都度、この講習で学んだ「過去と他人は変えられない。変えられるのは、自分の行動と未来である。」ことを思い出し行動できるようにしていきたいと思います。信頼される上司を目指して努力します。
■つねに心がけていることが具体的に講師の方のレクチャー及びロープレにより理解度が深まった。・・・なかなかこちらをむいてこない部下の扱いについても粘り強く目標設定、フォローの継続の必要性を感じた。・・・怒ってしまうと後悔のみのこっていたがやはりそうであった。
■私もすぐに感情的に怒ってしまうので部下の話をよく聞いて冷静に判断をしてからタイミングを考えて叱ったあとはその事対しての対策を話し合い改善を図り部下への信頼度を分かってもらうよう実行したい
■事例を交えての研修は分かり易かった。実際の部下をイメージしてロープレをし、今後に活かせる研修でした。
■どんなに相手のことを思って良い事を言っても、相手に聞く気がなければ伝わらない。改めてそう思いました。普段からこの人の言う事なら聞こうと思ってもらえる行動を採ります。店舗や人など状況は変えられないので、現状で何が出来るか考えながら行動します。
■怒鳴ってしかる、理由がわからないまま叱る、やらない様にしています 人間は、感情の動物なのでそのあたりを、気にしながら相手と話すようにしています、やはり一つの目標に向けて全員を動かす様にしていきたい、早くできる人もいれば、なかなかすぐに出来ない人もいます、全員を同じように進めるのではなく、一人一人の合ったやり方で進んでいきたいとおもいます
■研修内容が体験談をもとに話されていたため非常に分かりやすい内容で共感できることが多数でした。自分が変わらなければまわりは変わらない 自分が伝えられなければ部下に責任は無い 叱り方は気づきを促しプロセス目標や再発防止を共有し確認するなどのことを確認できました。感情をだして怒ることも「アリ」は勇気づけられます。