イギリスのEU離脱、参院議員選挙など、世の中の移り変わりは、普段政治や国際情勢に関心の薄い方々まで、目が離せない昨今となりました。 私たちができることは、やるべきことを地に足を付けながらやり続けていくことだと実感しています。 今回も25号から始めている「主体的に生きる自立力」の育て方(自立を育てる14の習慣より)をお伝えしたいと思います。 「自立した人」とは 一人ひとりが自分で考え、壁を乗り切る力を身につけていること。何か問題が生じたとき、他人への責任転嫁(他責)ではなく、つねに当事者意識を持ってあたれること 【自立を育てる14の習慣 NO.5】 私は評価的な表現でない言葉で相手を承認、認知する 上司は部下に、親は子どもに、力強く成長してほしいと願うのは当然だと思います。その成長のために、育てる側の承認、認知は必要です。 しかし、自立を促す習慣の「承認・認知」とは、部下を褒めることではありません。 もちろん、褒める事を否定するわけではなく、心から褒める気持ちが湧いた時は自然に伝えたら良いでしょう。 しかし、それ以上に大切なことは、人として尊重し認める「承認、認知」です。相手を大切な人財として認め、尊重し、相手から伝わってきたものに対して、事実を曲げることなく、関わる側がプラスの方向で捉え、本人に誠実に伝えることです。 これを地道に実践することで、本人は自分の中の「力」を過不足なく確認し、自信を持って未来に向って進むことができます。昨今、自己肯定感の少ない人のご相談も良く受けますが、この自己肯定感を育て、その上で自己効力感も育ててあげたいものです。 自己肯定感とは、「自分はここに存在しても良いのだ」「長所も短所も含めて自分なんだ」と自分を認められる力を指します。 自己効力感とは、自分の可能性を信じられる力であり、 「自分なら、やって行けるかもしれない、こうすればうまくいくかもしれない…」という自己信頼です。 安直なカラ自信や、あまりに地に足が着かない自分へのイメージは困りものですが、「どうせやっても出来ない」とあきらめるのではなく、未知なる未来への「やれば出来るかもしれない!」が大切です。 では、それら自己肯定感、自己効力感を育てるためには上司(親もそうですね)はどのようにしたら良いかを一部お伝えしたいと思います。 事実承認 効果的 部下の貢献している行動、成長した点を小さなことでもよいので、それらを観察し事実を伝えること(日常の観察が必要) 存在承認 効果的 部下に挨拶をしたり、話をするとき、注意以外の会話でも名前を呼び、存在を認めていることがわかるように声をかけること ありがとう等の感謝の言葉もこれにあたる 過程承認 効果的 結果が出るまでの頑張りを「認め、言葉をかけること(日常の観察が必要) 結果承認 普通 結果が出た時、褒め、認め、声をかけること ■部下の成長のために必要なことの基本に、部下自身の「自立の意識」があります。 「今の自分を明確に自覚し、未来に対する自分の可能性に目を向ける」ことから、自立は始まります。 言葉をかけるだけでなく、部下の存在、悩んでいることもすべて含めて、相手を認めていく「承認・認知」が大切です。 自分を好意的に成長を支援してくれる上司から発する雰囲気は、しっかりと伝わるものです。 くれぐれも「褒めて相手を動かそう」と思わないことは重要で、部下はそれを心のどこかでキャッチし、「所詮、コントロールするために言葉をかけているのだろう」と部下に伝わるでしょう。 |
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